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心血管疾患を一次予防するための超越瞑想法

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Abstract

背景

心血管疾患(CVD)の主要な原因はストレスである。超越瞑想法(TM)は負のストレス因子を低減する上で役立つと考えられているため、CVDの主要な予防法として有益な戦略である。

目的

CVDの主要な予防法としてのTMの有効性を評価すること。

検索方法

以下の電子的データベースを検索した:Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(2013年第10号)、MEDLINE(Ovid)(1946年~2013年11月第3週)、AE Classic and EMBASE(Ovid)(1947年~2013年第48週)、ISI Web of Science(1970年~2013年11月28日)、Database of Abstracts of Reviews of Effects (DARE) and Health Technology Assessment Database and Health Economics Evaluations Database(2013年11月)。また、Allied and complementary Medicine Database(AMED)(初回~2014年1月)およびIndMed(初回~2014年1月)も検索した。試験登録簿およびレビューや文献の参照リストを手動で検索し、この分野の専門家に連絡を取った。言語の制限は設けなかった。

選択基準

健康成人またはCVDのリスクの高い成人を対象とした3カ月以上のランダム化比較試験(RCT)を選択した。試験では、TMのみを検証し、対照群は治療なしまたは最小限の治療とした。複数の治療法を検証した試験は除外した。注目したアウトカムは、臨床的CVD事象(心血管疾患による死亡、全死因死亡および非致死性の事象)および重大なCVD危険因子(血圧および血中脂質、2型糖尿病発症、生活の質、有害事象および費用など)とした。

データ収集と分析

2名の著者が独立して、選択基準に適合する試験を選択し、データを抽出し、バイアスのリスクを評価した。

主な結果

本レビューの選択基準に適合した4試験(論文4件)(参加者430名)を同定した。進行中の試験はなかった。選択した試験は、小規模かつ短期間(3カ月)であり、バイアスのリスクがあった。すべての試験において、TMは1日に2回15~20分間実施されていた。

選択した試験では、試験期間が短かったため、全死因死亡、心血管疾患による死亡や非致死性の事象は認められなかったが、1件の試験において、試験終了3年後の死亡率が報告されている。唯一報告されているアウトカムである収縮期血圧(I2 = 72%)および拡張期血圧 (I2 = 66%)に関する試験結果間の統計的に顕著な異質性の観点から、メタアナリシスを行わないこととした。 4件の試験のいずれも、血中脂質、2型糖尿病発症、有害事象、費用や生活の質に関する報告はなかった。

著者の結論

現在、CVDの主要な予防法としてのTMの有効性を検証した試験はほとんどなく、アウトカムも限定的である。現在のエビデンスは限定的であるため、CVDの主要な予防法としてのTMの有効性に関して結論は出せない。試験間で顕著な異質性があり、選択した試験は小規模かつ短期間で、全般的に重大なバイアスのリスクがあった。より大規模かつ長期の質の高い試験が必要である。

PICO

Population
Intervention
Comparison
Outcome

El uso y la enseñanza del modelo PICO están muy extendidos en el ámbito de la atención sanitaria basada en la evidencia para formular preguntas y estrategias de búsqueda y para caracterizar estudios o metanálisis clínicos. PICO son las siglas en inglés de cuatro posibles componentes de una pregunta de investigación: paciente, población o problema; intervención; comparación; desenlace (outcome).

Para saber más sobre el uso del modelo PICO, puede consultar el Manual Cochrane.

Plain language summary

心血管疾患を予防するための超越瞑想法

背景

心血管疾患(CVD)は、心臓発作、狭心症、脳卒中を含む意味合いが広い用語で、世界的に健康上の負担となっている。しかし、CVDのリスクは、ストレスなどの危険因子を調整することで低減させることができる。ストレスを低減させる法の1つに、超越瞑想法(TM)が挙げられる。このレビューでは、健康な成人とCVCのリスクの高い成人を対象としてTMの有効性を評価した。

研究の特性

健康な成人とCVCのリスクの高い成人を対象とした3カ月以上の試験について、科学的データベースを検索した。試験では、TMと治療なしまたは最小限の治療とを比較した。CVDのための死亡、原因を問わない死亡、死亡には至らない心血管疾患(心臓発作、狭心症など)、血圧、血中脂質(血液中の脂肪)、2型糖尿病、生活の質、副作用や費用について検証した試験を検索した。

主な結果

選択基準を満たしていた試験は4件のみであったが、いずれも追跡期間(3カ月)は短いものであった。これらの試験は小規模で、バイアスのリスクがあり、アウトカムの1つ(血圧)しか報告されていなかった。すべての試験において、TMは1日に2回15~20分間実施されていた。試験間で、特に参加者という観点でかなりなバラツキがみられたため、データを統合することができなかった。このため、現在のところ、TMの有効性について結論を出すことができない。CVDを予防する上でのTMの有効性を検討するには、より質が高く、より長期間の試験が必要である。

エビデンスの質

選択した試験は、バイアスのリスクが不明で、小規模であるため、このレビューの結果は注意深く取り扱うべきである。