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骨格筋の痙攣に対するマグネシウム

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アブストラクト

背景

骨格筋の痙攣は一般的な疾患で、妊娠、加齢、運動または運動ニューロン疾患(筋萎縮性側索硬化症など)に随伴して受診する場合が多い。マグネシウムサプリメントは筋痙攣予防に市販されているが、これまでに筋痙攣に対するマグネシウムの効果を評価したシステマティック・レビューはない。

目的

骨格筋の痙攣を呈する患者を対象に、マグネシウム補充の効果を無治療、プラセボ対照または他の筋痙攣の治療法と比較評価すること。

検索戦略

Cochrane Neuromuscular Disease Group Specialized Register(2011年10月11日)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(2011年第3号)、MEDLINE(1966年1月〜2011年9月)、EMBASE(1980年1月〜2011年9月)、LILACS (1982年1月〜2011年9月)、CINAHL Plus(1937年1月〜2011年9月)、AMED(1985年1月〜2011年10月)およびSPORTDiscus(1975年1月〜2011年9月)を検索した。

選択基準

あらゆる患者集団(すなわちすべての筋痙攣の臨床症状)を対象とした骨格筋痙攣の予防に対する(種々の剤型の)マグネシウム補充に関するランダム化比較試験(RCT)。マグネシウムと無治療、プラセボ対照または他の治療法を比較対象とした。

データ収集と分析

2名の著者が選択のために独立して試験を選び、データを抽出した。2名の著者がバイアスのリスクを評価した。研究著者全員へ問い合わせを試み、3件の対象試験に関する個々の患者データを入手した。このうち1件は未発表の試験データであった。対象RCTから有害作用に関するすべてのデータを収集した。

主な結果

7件の試験(並行デザイン5件、クロスオーバーデザイン2件)を同定した。登録者計406例のうちクロスオーバー試験の参加者118例は自身の対照の役割も務めた。3件の試験では妊娠に起因する下肢筋痙攣を呈する女性を登録し(N = 202)、4件の試験では特発性筋痙攣患者を登録した(N = 322、クロスオーバー試験の対照を含む)。6件の試験ではマグネシウムとプラセボを比較し、1件の試験ではマグネシウムと無治療を比較した。

特発性筋痙攣(概して夜間下肢筋痙攣と推定される高齢者)については、マグネシウムとプラセボ間で筋痙攣頻度の測定値の差はわずかで、統計学的有意性は認められず、異質性も認められなかった(I2 = 0%)。 これには主要エンドポイントであるベースラインと比較した第4週の1週間あたりの筋痙攣頻度の変化(‐3.93%, 95%信頼区間[CI] ‐ 21.12%〜13.26%、中等度のエビデンスの質)および第4週の1週間あたりの筋痙攣回数の相違(0.01回/週、95%CI ‐0.52〜0.55、中等度の質のエビデンス)が含まれる。ベースラインと比較して筋痙攣頻度が25%以上減少した患者の割合も、マグネシウム群の方が8%低かったものの有意差は認められなかった (95% CI ‐28% to 12%, 中等度の質のエビデンス)。同様に、第4週の筋痙攣強度の測定値(中等度の質のエビデンス)および筋痙攣の持続時間(質の低いエビデンス)に統計学的有意差は認められなかった。

妊娠に起因する下肢筋痙攣に関する試験のメタアナリシスは実施不能であった。総合的な治療効果の3ポイント順序尺度を用いてマグネシウムの利益を無治療と比較した単一試験では、統計学的有意性は認められなかった。マグネシウムとプラセボを比較した2件の試験結果は異なっており、1件では頻度や強度の測定値に対する有益性が認められなかったのに対し、他の1件では両測定値に対する有益性が認められた。

有害事象による脱落例は、プラセボと比較して有意差が認められなかった。軽度の有害事象を発現した被験者数を特定することができなかったが、通常、マグネシウム経口投与に関する研究報告において予想される副作用の発現頻度はプラセボと同様である。

著者の結論

骨格筋の痙攣を呈する高齢者に対して、マグネシウム補充が臨床的に意味のある筋痙攣予防薬となる可能性は低い。一方で、妊娠に関連した睡眠時筋痙攣を呈する患者に関する文献には矛盾が認められるため、当該患者集団における研究がさらに必要である。運動誘発性筋痙攣または病態に起因する筋痙攣(筋萎縮性側索硬化症/運動ニューロン疾患など)に対するマグネシウムを評価したランダム化比較試験は発見することができなかった。

PICO

Population
Intervention
Comparison
Outcome

El uso y la enseñanza del modelo PICO están muy extendidos en el ámbito de la atención sanitaria basada en la evidencia para formular preguntas y estrategias de búsqueda y para caracterizar estudios o metanálisis clínicos. PICO son las siglas en inglés de cuatro posibles componentes de una pregunta de investigación: paciente, población o problema; intervención; comparación; desenlace (outcome).

Para saber más sobre el uso del modelo PICO, puede consultar el Manual Cochrane.

筋痙攣に対するマグネシウム

筋痙攣(けいれん)は一般的な疾患で、様々な状況下で発生する。高齢者や妊娠女性は睡眠時に下肢筋痙攣を訴えることが多く、スポーツ選手では耐久力の限界を超えた時に痙攣が起きる場合があり、一部の人では他の内科疾患の症状として筋痙攣を発生する。筋痙攣を予防するために既に市販されており、将来性を有する治療法のひとつがマグネシウム補充である。 マグネシウムは我々の食事に普通に含まれるミネラルであり、(通常は錠剤や水に溶かす粉末として)インターネットや健康食品販売店、薬局を通じてマグネシウムのサプリメントを入手し、経口補充することができる。 筋痙攣予防に対するマグネシウムの有効性を評価した良質な既報の研究をすべて検索し、高齢者を対象とした研究4件および妊娠女性を対象とした研究3件を見出した。 運動中に筋痙攣を起こした人に関する研究は認められず、内科的基礎疾患により筋痙攣をおこした人に関する研究も認められなかった。成人を対象とした研究4件(クロスオーバー試験の対照を含む参加者計322例)を総合すると、この集団ではマグネシウムが筋痙攣の頻度や重症度を軽減する重要な利益がある可能性が低いことが示唆される。このエビデンスの質を中等度と判断した。一方で、妊娠女性を対象とした3件の研究(参加者202例)では、1件の研究で筋痙攣の頻度および痛みの両方の軽減に対する利益が認められたのに対し、他の2件では利益が認められなかったため、総合的な結論に達することができなかった。妊娠女性を対象としたマグネシウムに関する研究がさらに必要であるが、筋痙攣を呈する高齢者はこの治療法から利益を受ける可能性が低いと考えられる。望ましくない副作用の発現率を特定することができなかったが、研究中止率や有害事象に関する考察から、本治療法の忍容性は高いことが示唆される。