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食道癌に対するスクリーニング

背景

食道癌は世界的に問題となっている疾患の一つである。進行食道癌の予後は概ね不良であるが、早期の無症候性食道癌は、基本的に治癒可能であり良好な生存率が得られている。最も汎用されている2つの検査は、細胞診および内視鏡粘膜ヨード染色である。スクリーニング検査の効果については意見が分かれており、リードタイムバイアスおよびレングスタイムバイアスの可能性があるため、真の利益および有効性は不明である。本レビューは、食道癌(扁平上皮癌および腺癌)に対するスクリーニングの有効性に関するエビデンスを検討するため実施した。

目的

高リスクおよび一般集団の無症状の人での食道癌による死亡率の低下における、内視鏡ヨード染色または細胞診を用いた早期スクリーニングの有効性を明らかにすること。

検索戦略

Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(2012年第8号)、コクラン・ライブラリ(2012年第8号)、MEDLINE(1950~2012年8月)、EMBASE(1980~2012年8月)、Allied and Complementary Medicine(AMED)(1985~2012年8月)、Chinese Biomedical Database(CBM)(1975年1月~2012年8月)、VIP Database(1989年1月~2012年8月)、China National Knowledge Infrastructure(CNKI)(1979年1月~2012年8月)およびインターネットを検索した。参考文献リスト、学会抄録、進行中試験のデータベースも検索した。試験検索について、言語、発表状態の制限は行わなかった。

選択基準

食道癌についてスクリーニングを無スクリーニングと比較しているランダム化比較試験(RCT)のみを選択した。グループまたはクラスターランダム化を許容した。

データ収集と分析

2名のレビューアが別々に、選択する可能性のある試験についての初回検索から標題および抄録を調べた。選択基準を満たす試験を認めなかった。

主な結果

電子的検索により3,482件の研究を同定した。2名のレビューアが別々に参考文献を検討した。さらなる検討のため18件の研究報告を回収した。食道癌についてスクリーニングの効果をスクリーニングのない場合と比較して検討しているRCTで,選択基準を満たしたものはなかった。

著者の結論

食道癌に対するスクリーニングの有効性を明らかにしているRCTはなかった。非RCTでは高罹患率が示され、スクリーニング後に報告された良好な生存は、選択バイアス、リードタイムバイアスおよびレングスタイムバイアスによると考えられた。食道癌に対するスクリーニングの有効性を明らかにするため、RCTが必要である。

PICO

Population
Intervention
Comparison
Outcome

El uso y la enseñanza del modelo PICO están muy extendidos en el ámbito de la atención sanitaria basada en la evidencia para formular preguntas y estrategias de búsqueda y para caracterizar estudios o metanálisis clínicos. PICO son las siglas en inglés de cuatro posibles componentes de una pregunta de investigación: paciente, población o problema; intervención; comparación; desenlace (outcome).

Para saber más sobre el uso del modelo PICO, puede consultar el Manual Cochrane.

Plain language summary

食道癌に対するスクリーニング

食道癌は世界的に癌関連死の高頻度の原因となっています。進行期の予後は不良ですが、早期の食道癌は無症状で根治可能であり、通常、食道壁を越えて拡がらない限り発見されずに進行します。内視鏡ヨード染色または細胞診は、早期食道癌に対する2つの一般的なスクリーニング検査です。これらのスクリーニング検査は1970年代に開始されましたが、リードタイムバイアス(スクリーニング検査により診断が早くなった結果長くなる疾病管理時間)およびレングスタイムバイアス(スクリーニングは、人の生存期間を変える疾患ではなく進行の遅い疾患を検出しやすい)のため、真の利益は一貫性を示さず不明です。このレビューでは、食道癌に対する2つのスクリーニング検査の有効性を明らかにしようとしました。3,482件の研究を同定しましたが、スクリーニングのRCTはありませんでした。数件の非対照研究では、スクリーニング検査により報告される食道癌の罹患率が上昇し、スクリーニング後の生存結果が改善すると示されましたが、これらの結果は真の起因効果というよりバイアスを示すと考えられました。したがって、食道癌に対するスクリーニングの有効性、費用対効果、あらゆる有害作用を明らかにするため、RCT、特に長期のRCTの必要性が非常に高まっています。