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心房細動のカルディオバージョン後の洞調律維持を目的とした抗不整脈薬

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Abstract

背景

心房細動(AF)は最も頻度が高い持続性不整脈である。AFは正常洞調律復帰後に高頻度に再発する。抗不整脈薬は再発予防のため広く使用されているが、死亡率および他の臨床的アウトカムへの影響は不明である。

目的

AF後洞調律に復帰した患者を対象に、抗不整脈薬長期投与が死亡、脳卒中および塞栓症、有害作用、不整脈誘発、AF再発に及ぼす影響を検討すること。

検索方法

コクラン・ライブラリ(2010年第4号1)のCENTRAL、MEDLINE(1950~2010年2月)およびEMBASE(1966~2010年2月)の検索を更新した。検索した論文の参考文献リスト、最近のレビューおよびメタアナリシスをチェックした。

選択基準

AFを有し洞調律に復帰した成人を対象に抗不整脈薬をコントロール(無治療、プラセボまたは心拍数コントロール薬)または他の抗不整脈薬と比較しているランダム化比較試験(RCT)を2名のレビューアが別々に選択した。手術後のAFは除外した。

データ収集と分析

2名のレビューアが別々に質を評価し、データを抽出した。Petoオッズ比(OR)を用いて適宜研究を統合した。すべての結果は、追跡1年後の時点で算出した。

主な結果

今回の更新では、11件の新たな研究が選択基準を満たし、患者20,771名からなる計56件の研究を選択した。コントロールに比べて、クラスIA薬剤のキニジンとジソピラミド[OR2.39、95%信頼区間(95%CI)1.03~5.59、害必要数(NNH)109、95%CI34~4,985]およびソタロール(OR2.47、95%CI1.2~5.05、NNH166、95%CI61~1,159)は総死亡率の上昇に関連していた。他の抗不整脈薬は死亡率を変化させないようであった。 いくつかのクラスIA薬(ジソピラミド、キニジン)、IC薬(フレカイニド、プロパフェノン)およびIII薬(アミオダロン、ドフェチリド、ソタロール)は、AF再発を有意に減少させた[OR0.19~0.70、治療必要数(NNT)3~16]。ベータ遮断薬(メトプロロール)もAF再発を有意に減少させた(OR0.62、95%CI0.44~0.88、NNT9)。 解析したすべての薬剤は有害作用による投与中止を増加させ、アミオダロン、ドロネダロン、プロパフェノン以外のすべての薬剤は不整脈誘発性を増加させた。他のアウトカムを報告した研究がほとんどなかったため、それらの解析を行えなかった。

著者の結論

いくつかのクラスIA、IC、およびIII薬、ならびにクラスII薬(ベータ遮断薬)は、心房細動からの変換後の洞調律維持に中等度の有効性を示した。しかし、不整脈誘発性などの有害事象が増加し、いくつかの薬剤(ジソピラミド、キニジン、ソタロール)は死亡率を上昇させるおそれがある。臨床に関連性のあるアウトカム(脳卒中、塞栓症、心不全)への可能性のある利益については、まだ確定されていない。

PICO

Population
Intervention
Comparison
Outcome

El uso y la enseñanza del modelo PICO están muy extendidos en el ámbito de la atención sanitaria basada en la evidencia para formular preguntas y estrategias de búsqueda y para caracterizar estudios o metanálisis clínicos. PICO son las siglas en inglés de cuatro posibles componentes de una pregunta de investigación: paciente, población o problema; intervención; comparación; desenlace (outcome).

Para saber más sobre el uso del modelo PICO, puede consultar el Manual Cochrane.

Plain language summary

心房細動のカルディオバージョン後の洞調律維持を目的とした抗不整脈薬

心房細動は、心臓のリズムが不規則になり(不整脈と呼ぶ)、速くなりすぎる(頻脈と呼び、速いことを意味するギリシャ語の「tachy」に由来)疾患の一つである。心房細動により合併症が心臓(心不全、失神)または他の器官(心臓の中で凝血塊が形成され、それが脳など他の場所へ運ばれる塞栓症が主として起こる)に生じることがある。 心房細動は、薬剤や制御した電気ショックを用いて正常な心調律に戻すことが可能である。しかし、高頻度に再発することが大きな問題である。再発を避け正常な心調律を維持するため様々な薬剤が用いられてきた。本システマティック・レビューでは、心房細動の再発を防止するために用いられる抗不整脈薬の有効性および安全性について考察した。 患者20,771名を対象に様々な抗不整脈薬について検証している良質な56件の研究を認めた。これらの研究による累積データでは、数種類の薬剤(キニジン、ジソピラミド、フレカイニド、プロパフェノン、アミオダロン、アジミライド、ドフェチリド、ドロネダロン、ソタロール)が心房細動の再発防止に有効であったが、すべての薬剤により有害作用が増加したと示された。これらの薬剤のうち、キニジンとジソピラミドからなる「クラスIA」と呼ばれる特定の1群およびソタロールは、投与患者における死亡数を軽度増加させるおそれがあるとデータから示された。本レビューの限界は、レビューアが認めた研究の大多数が心房細動で最も高頻度にみられる合併症(塞栓症および心不全)を評価していないという点であった。したがって、抗不整脈薬投与により、それらの合併症が減少(または増加)するという影響があるか不明であった。 抗不整脈薬により得られる長期的利益がそのリスクに勝るかは不明であった。